トイレトレーニングの悩みを解決!元保育士が教えるトイトレ・おむつはずし
“育児本には月齢的に始める時期って書いているけど大丈夫かしら…?”
“他の子どもはもうパンツなのに家の子はどうして…。”
トイレトレーニングに悩みや焦りを感じている親は意外と多いのです。
保護者から相談されることも多いトイレトレーニング。
大切なことは《焦らず、どっしりと構えること》です!!
今まで様々な子どもと接してきましたが、トイレトレーニングは本当に個々によって全く違います。
我が子とじっくり向き合って、“脱・おむつ!”を目指しましょう!!
目次
トイレトレーニングはいつからはじめるべき?
育児本やネットでは、
・おしっこの間隔が2時間以上あき始めたら
・言葉で伝えるようになったら
・1歳7か月頃から
・夏場に始める
しかしトイレトレーニングは本当に個々によって違います。
早く始めれば良いものでも、月齢に達したら始めるべき……でもありません。
私の勤める保育園は0歳児からトイレトレーニングを少しずつ始めています。
0歳児と1歳児が同じフロアなのでトイレには常にオマルが置いてあります。
保育園でトイレトレーニングを始める目安としては、
- そのオマルに興味を示し始めた時
- 家庭でトイレトレーニングを始めた時
この2つのどちらかに当てはまった時にトイレトレーニングを始めています。
前提は“家庭で始めていること”です。
オマルに興味を持ち始めた時もすぐには始めず、その様子を保護者に伝えて家庭でオマルに座ってみてもらってから園でも始めます。
0歳児では個々に合わせて、まずは“オマルに慣れること”から始めます。
常にオマルがあるので、気になる子は1歳児の真似をしたり、友だちの真似をしたりして“これは座るもの”と自然とわかるのでしょうね。
そうやってまずは“オマルに座ること”をスタートとして取り組んでいます。
ご家庭で始める時も大人がオマルにまたいで“見せてあげる”と子どもも興味がわくと思います。
月齢にとらわれず、歩行でき始めた時やまたいで座れるようになった時を目安にオマルなどを目につく所に置いてみると家庭でも興味がわくと思うのでおススメです。
まずはそこから始めてみても良いと思います。
また、トイレの絵本もあるので、一緒に使ってみるのも良いかもしれませんね。
子どもも“絵本と同じものがある!”と発見したと喜んで、興味を持つでしょう。
トイトレは保育園任せで大丈夫?
『いつになったらトイレトレーニングしてくれるんですか?』
という質問が年々増えてきています。
先程も述べましたが、前提は“家庭で始めていること”です。
トイレトレーニングは保育園だけでは進められません。
もちろん様子を伝え合う中で“そろそろ始めてみても良いかもしれませんね”などと、始める時期に関してのアドバイスをすることはあります。
初めてのことでわからないことだらけな時はどんどん質問したりアドバイスを求てみてください!
ご家庭と保育園で、一緒に進めることが理想的です。一緒に悩んで、一緒に進めて、不安や喜びを分かち合いましょうね。
保護者の心配の種が少しでも減らせることが保育士の願いでもあります!
トイレトレーニングの具体的な進め方
保育園によっては布おしめの園と紙おしめ園と様々です。
私の園は紙おしめでしたので、ここでは紙おしめのトイレトレーニングの進め方を、ポイントも合わせて紹介したいと思います!
ちなみに過去にコチラの記事でもトイトレの進め方について紹介していますので、合わせて読んでみてくださいね↓
〈ステップ1〉オマルに興味を持って座ってみる
まずはオマルに興味が持てる環境を作ってみましょう。
オマルを置いておく、オマルの絵本を一緒に見る、などまずは興味が持てるようにします。すると自分から座ってみたり、誘うと座ってみたりする子が多いです。
私の園では約2時間おきにおむつ交換をするので(出ている子はその都度)、その間隔を目安に誘ってみると良いと思います。
早い子はオマルで排尿することもありますが、目標はあくまで“興味を持つこと”です。
最初は出ないことが当たり前!興味を持ったり座ることがすごいことです。
『家で座りはするけど出ないんです…』と相談して下さる保護者さまもいますが、あまり気負わず肩の力を抜いて、『座るの!?すごい!!』と思うようにしてみて下さいね。
◎おまるに座りたがらない時は無理強いしない!(トイレやおまるが嫌いになる原因に!)
◎一瞬座っただけでもすごく褒める
◎排尿が見られた時はハイタッチなどして一緒に喜んだり、気持ち良さに共感したりする(オマル=排尿する場所という認識が持てる)
◎起床後が出やすいのでその時誘ってみる(おしめに出ていても排尿する子もいます)
◎しつこく誘わない(子どもが嫌がる原因にもなります!)
〈ステップ2〉トレーニングパンツにしてみる
トレーニングパンツに切り替えるタイミングとしては、
- およそ2時間おきに誘っても濡れていない
- 仕草や言葉で知らせようとする
- オマルで排尿することが増えてきた
この3つを目安にしてみて下さい。
ここのステップで悩む保護者が多いので、園でどのように進めているか具体的に紹介していきますね。
2,お昼寝後もおむつが濡れていない or 尿意を感じて起きるようになったらお昼寝もパンツにしてみる(布団に尿漏れ用の敷パッドをつける)
3,お昼寝後も布団が濡れずにトイレで排尿するようになったら1日パンツにする
私の保育園では保育園の1日はこういった感じです。段階を経て徐々に移行していきます。オマルから小さい子の便器に移行していくのもこの時期です。
『夜寝る時もパンツにしないといけませんか?』と良く尋ねられますが、夜はお昼寝よりも睡眠時間が長いので、おしめで良いと思います。もし朝起きて出ておらず、トイレで出るようなら夜もパンツで過ごすことにチャレンジしてみると良いと思います。
トイレトレーニングは本当にデリケートなことなので、おもらししても決して子どもを責めないで、悠然とした態度で進めてくださいね!(どんなに忙しくても、どんなに急いでいても、そこはグッと堪えて!)
◎おもらししても絶対に怒るような言葉はかけちゃダメ!!(トラウマになります!)
◎パンツで濡れた時は『濡れちゃって気持ち悪かったね』と声をかけて着替える(濡れる気持ち悪さを感じる経験も大切なことです!!)
◎トイレを嫌がるようなら無理強いせず、しつこく誘わない(トイレに好きなキャラクターを貼っておくなどしてトイレを楽しい空間にすると、子どもも行きたい気持ちが芽生えやすくなりますよ)
◎体調が悪い時や病院で長時間待つ時などは無理せずおしめにしても大丈夫です
◎順調に行っていても戻ることもあります。繰り返しながら少しずつ進めていく覚悟を。(弟や妹が産まれて寂しくなった、寒い時期にトイレの間隔が短くなって漏れやすくなった……など、様々な理由でパンツからおむつに戻すことはよくあることです。)
〈ステップ3〉普通の布パンツにしてみる
トレーニングパンツに慣れ、トレーニングパンツで過ごせるようになると布パンツにしています。
特に夏場に移行する子が多いです。その理由としては、
-
- 水分が汗で出るのでおもらししにくい
- 洗濯物がすぐ乾く
という2点が大きな理由です。
〈ステップ2〉の段階である程度進んでいる子は、夏場に布パンツにすることもあります。
◎トレーニングパンツよりも布パンツの方が断然おもらししやすいという認識を持つ(布パンツの方が吸水率が低いのでそう感じたり、子どもが今までと違うパンツだと“違和感”を感じて不安になったり、子どもによって様々です)
◎いつでも着替えることができるように多めに用意しておく
◎年齢や性格によって“皆の前で着替えるのは恥ずかしい”と感じる子もいるので子どもの様子をみて、こっそり着替えるようにする
この3つのステップが完了するとパンツに完全移行します。
ここでは“あえて”目安の月齢や年齢を書きませんでした。それくらい子どもによって進行スピードは違いますし、デリケートな問題です。
1歳児で完了する子もいれば、4歳児でおむつの子もいました。小学生だっておねしょする子もいます。(私がそうでした。)
大切なのは、我が子が今どんな状況かをしっかりとらえてあげることです。そして絶対に怒った態度や言動は慎むこと!最初にも言いましたが、《焦らず、どっしりと構えること》が大切です。
一番苦戦するのがおそらく〈ステップ2〉だと思います。
“進んだ!”と喜んでは、“戻った…”と落ち込んだり、一番差が出やすいのでついつい他の子と比べてしまったり……。保護者にとっても落ち込みやすい時期です。
そういう時は、“漏れても洗濯すれば大丈夫”“おもらししたって大切な経験”“焦らなくてもいつかはとれる”とゆったりと考えることで、お母さんたちのストレスも減ると思います。
子どもは敏感です。イライラしていると逆効果です。ストレスや悩みは、保育園の先生に相談してみると良いと思いますよ!
〈番外編〉男の子と女の子のトイトレの違いについて
女児と男児には特有の違いがあるので、そこも紹介します。
女児のトイレトレーニングのポイント
女児には排尿後に“拭く”という行為が必要です。しかし“トイレットペーパーを引っ張ってちぎる”ことは子どもにとって難しいこと。
そこで私の園では、保育者が一回分を用意してストックし、便器の横に置いています。そうすることで“自分で拭く”ことが身につきます。
一回分のストックの方法としては、
- トイレットペーパーの3つ目のミシン目でちぎる
- 使いやすい大きさに折りたたむ
- 牛乳パックを縦半分に切って箱を作り、その中に入れておく
多少手間がかかりますが、“排尿後は拭く習慣”を身につけるのは必要なことです。
自分で引っ張ってちぎれるようになったら、どれくらいの長さでちぎったら良いかを一緒にしながら伝えていっています。
男児のトイレトレーニングのポイント
男児には“男児便器”というものが存在します。家庭では大丈夫でも、小学校や中学校、公共施設では“立って排尿する”ことがあります。
私の園では1歳児クラスから男児便器が設置してあり、トイレトレーニングの一環として行っています。最初は見慣れないものに抵抗感を抱く子がほとんどなので、人のキャラクターを作って貼り、『○○の所でしてみよう』と誘っています。
家庭では男児便器がほぼないと思うので、公共施設などにあるものをチェックしてみると良いかもしれませんね。
男児のトイトレは、父親ならまだしも、母親だとどう教えてあげればよいかわかりませんよね?
私の園の最初の取り組みとしては、
- 座って出るようになったら男児便器に誘ってみる
- 立ってする時にお尻を押してあげて、便器との距離感を伝える
ということをしています。ご家庭なら旦那さんや親にお願いしてみても良いと思います!
また、“立ったら出ないけど、座ったら出る”子も結構います。それでも一回は男児便器に誘っています。
出た時は一緒に大喜びをし、“立ってできた達成感”を感じられるようにします。出なくても立ってしようとすることを褒め、座ってするようにしています。
立つことも嫌がる子には無理強いはせずに座ってしています。(『立ってするのかっこいいよね~』とさり気なく声をかけ、“立つことへの興味”を感じられるようにしています。しかし、あまり神経質になって言いすぎると逆効果なので注意!!)
このように、女児ならではのポイント、男児ならではのポイントがあることを覚えておいて下さいね。
トイレトレーニングにありがちな悩みと解決法
トイレトレーニング中にはよく悩みを相談して下さいます。
その中でも特に多い5つの悩みとアドバイスを紹介したいと思います!
【悩み1】『家にオマルを置くスペースがないんですけど、補助便座でも大丈夫ですか?』
私の園では『どちらでも大丈夫です』と答えています。
オマルにすべきか、補助便座にすべきか悩みますよね。家庭環の事情もあると思います。
どちらもメリットとデメリットがあるので、家庭環境によって選ぶのがベストです。
今ではオマルにもなるし、補助便座にもなる一体型のものもあるので、迷われた時にはそのような商品もあることも紹介しています。
過去にも、こちらの記事で補助便座について紹介していますので、合わせて読んでみてくださいね↓
【悩み2】『うちの子家ではトイレに行きたがらなくて困ってるんです…。』
子どもにとってトイレは狭い空間に閉じ込められる恐怖の空間に感じる子もいます。(実際私もそうでした…)
トイレが怖いから行きたくない子にはトイレを安心できる空間にしてみて下さい。
- 好きなキャラクターで飾ってみる(ぬいぐるみ1個でもOKだった子もいます!)
- ドアを開けておくことで開放的な空間と感じられるようにする
- 一緒に入って安心できるようにする
などのアドバイスが効果的だったと後日保護者が教えてくれました!
空間づくりのちょっとした工夫を試してみて下さい。
【悩み3】『おねしょが多いから寝る時だけおむつでもいいですか?』
子どもは膀胱が大人と違って、溜めにくくなっています。
お昼寝と違って夜は寝ている時間も長く、そのためおねしょをすることが多いです。
しかしできるだけパンツで寝ることを薦めています。(体調が悪い時は別ですが)
おねしょ対策として、
- 寝る前に水分を摂りすぎないようにする
- 寝る前にトイレに行く習慣を身につける
- 尿漏れ用の敷パッドを敷く
- トレーニングパンツで寝る
ということをアドバイスしています。
朝起きてガックリ……忙しいのにイライラ……
その気持ちもわかります。ですが、そこをグッとこらえて、できるだけパンツのまま眠るようにしてみて下さいね。
【悩み4】『うんちがどうしても言えずに出てしまうんです…。』
汚れたパンツを洗って干して…。
おむつなら丸めてポイっで簡単でしたけど、パンツに出ると手間がかかって正直嫌になる…
という保護者の方が、結構多いです。
そこで、園での取り組みや先輩のお母さん保育士のアドバイスを少し紹介しますね。
・いつもと様子が違うと『おトイレ?』と尋ねる(気張る仕草の前にソワソワしだす子もいます)
・トイレで出た時は思いきり褒める!(トイレでうんちすると喜んでくれる!と思うようになるので)
・『先生も○○ちゃんより大きい時にしたことあるよ』と共感できる言葉をかけ、『今度はこっそり教えてね』と伝える(恥ずかしくて言えず、大きくなっても出る子にはまず安心させてあげています)
先輩のお母さん保育士が家庭で取り組んでいたことして、
- 紙おむつの時点でうんちが出そうな時にトイレに連れて行く(この時紙おむつが汚れていてもそのままトイレで出るまで待ち、うんちはトイレですることを体で覚えさせていたそうです)
- ソワソワしだしたら『一緒にトイレ行く?』と尋ね、座ってみる
- 座って出ても出なくても褒める(トイレでする意思を伝えたことを褒める!)
この3つを家庭では繰り返ししていたと聞きました。(やはり根気がいるようです)
そして保護者の方には『絶対に叱らないで下さいね』とお願いしています。
【悩み5】『休みの日はお出かけするので紙おしめでもいいですよね?』
保育園でおもらしが多い日ナンバー1は月曜日です。連休明けも多いです。
様子を伝えると『お出かけしたから紙おむつにした』という答えがほとんどです。
これだと一週間かけてパンツに慣れても休日にリセットされて…の繰り返しになります。
なるべく休日もパンツで過ごすように園ではアドバイスをしています。
- 着替えセットを数枚持って行く
- まずトイレの場所を確認する
- 子どもの間隔に合わせて『おトイレ行く?』と尋ねる
- 不安な時でもトレーニングパンツで過ごすようにする
この4つを主にアドバイスしています。
共働きのご家庭だと日中の間隔がわからない保護者もいると思いますが、園では“トイレチェック表”を作って個々の間隔がわかるようにし、その子に合わせてトイレに誘うこともあります。
わからないことがあれば、気軽に保育士に声をかけてみると良いでしょう。
また、“いつものトイレと違うから怖い…”と行きたがらない子もいます。
そんな時の魔法の言葉、『お母さん(お父さん)も怖いから一緒に来てくれる?』と言うと子どもの心の中で“私が(僕が)大好きなお母さん(お父さん)を守るぞ!”と思うそうです。先輩お母さん保育士が教えてくれた経験談です。
まとめ
トイレトレーニングは長期戦です。誰もが通った道。いつかパンツになる日はやってきます!
まずは目の前の子どもを良く見て、決して怒らず、トイレで出たら褒めることを忘れないで下さいね。
《焦らず、どっしりと構える》ですよ!