女性の髪の毛と女性ホルモンの関係とは?

妊娠や出産を、目に見えないところでサポートする「女性ホルモン」ですが、この女性ホルモンが、髪の毛の健康にも深い関係を持っていることをご存じでしょうか?
髪は女性の命です。脱け毛や薄毛に悩まれているのであれば、女性ホルモンの仕組みや役割について知り、ホルモンバランスを整えるための習慣づくりを心がけてみてはいかがでしょうか?
この記事では、日系BP社から発行されている書籍、「わたしのカラダは、私が守る 女性ホルモンの教科書」の内容をもとに、女性ホルモンの役割や、髪の毛との関係について解説します。
目次
「女性ホルモン」の役割とは?
そもそも、女性ホルモンには具体的にどのような役割があるのかというと、大きくわけて8つの役割があります。
1,美
女性ホルモンには、女性の身体を女性らしいつくりにする働きがあります。また、肌を美しく保つのも女性ホルモンの働きです。
2,母性
妊娠や出産、授乳など、女性が「母親」になるために、女性ホルモンは欠かせない存在です。妊娠しやすい身体をつくったり、妊娠後は母乳のために乳腺を発達させたり、胎盤を保護したりする働きがあります。
3,健康
女性ホルモンは、健康の維持とも深い関わりを持っています。骨や血管を丈夫にし、女性の身体を病気から防ぐ働きを持っています。
4,潤い
肌や膣などの潤いを保つのも女性ホルモンの役割のひとつです。髪の毛のハリツヤにも女性ホルモンが関係しています。
5,知性
女性ホルモンには、頭をクリアにする働きがあります。脳内の神経の成長を助けたり、脳の血量を増やしたり、脳の活動に必須である糖分を効率良く使えるようにしたりする働きを持ちます。
一方で、女性ホルモンには、以下のような、少し困った役割もあります。
6,病気
女性ホルモンには、子宮筋腫、子宮内膜症、乳がんなどを悪化させてしまう側面もあります。
7,不調
女性ホルモンは、むくみや乳房の痛み、便秘などの不調を招く原因にもなります。
8,情緒不安定
イライラやうつなど、心を不安定にしてしまう側面を持っています。
「女性らしさ・美容をサポートしている」
「月経に深く関係している」
「出産・妊娠で大切な役割を果たす」
このようなことをご存じのママは多いかもしれませんが、上記のように、女性ホルモンはとっても奥が深く、多様な顔を持ち合わせているのです。
女性ホルモンの一生
女性ホルモンは、一生涯にわたって女性をサポートするものではありません。
女性ホルモンの分泌は、思春期からはじまります。7,8歳あたりから少しずつ増え始め、初潮を迎えた後は、20代のピークまで増え続け、女性の見た目と内面を大きく変化させます。月経や胸の膨らみなどは、まさにこの女性ホルモンの働きだと言えます。
女性ホルモンの分泌がピークに達した時期のことを「性成熟期」と呼び、妊娠や出産にふさわしい身体が完成します。
その後、やってくるのが「更年期」です。女性ホルモンが減少し、やがて分泌自体が止まってしまいます。
女性ホルモンが減少することにより、体や心の健康が不安定になり、不調が身体にあらわれやすくなり、この状態が約10年間続きます。
女性ホルモンの分泌がはじまり、終わるまでの期間は、約40年。ちなみにこの間に分泌される女性ホルモンの量は、ティースプーン1杯分のみだと言われています。
女性ホルモンは2種類
女性ホルモンはには、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類が存在します。それぞれのホルモンの役割は下記の通りです。
エストロゲン
エストロゲンは、「女性らしい身体をつくるホルモン」です。乳房を大きくしたり、丸みを帯びた身体つくをつくったり、肌に潤いを与えたりする効果は、このエストロゲンから生まれています。
また、骨や血管を丈夫にするといった、健康の維持にも働きかけます。女性ホルモンが美容に大きな影響を与えられることが一般的に知られていますが、そのほとんどの働きをこのエストロゲンが持っているのです。
プロゲステロン
プロゲステロンは、「妊娠をサポートするホルモン」です。エストロゲンは、子宮膜を厚くする働きを持ち、受精卵が着床しやすく、育ちやすい状態に整え、妊娠を維持させる効果を持っています。
生理前に体温が上がるのも、プロゲステロンの働きによるものです。
一方でプロゲステロンは、むくみや便秘、肌荒れなどの症状を引き起こすきっかけにもなります。その側面から、「ブスホルモン」と呼ばれることもあるようです。
エストロゲンとプロゲステロンについては、こちらの記事でも解説していますので、あわせて読んでみてください。
髪の健康維持に大切なのはエストロゲン
上記で説明したとおり、女性の髪の毛の健康を維持するために重要な働きをしているのはエストロゲンです。
エストロゲンには、
✓髪の成長を促進する
✓髪の寿命を延ばす
✓頭皮の健康を維持する
✓髪の気にツヤやハリを出す
このような効果があると言われています。
髪の毛は、メチオニンとシステインというタンパク質で構築されていて、その中にはビタミンCやコラーゲンが含まれています。
エストロゲンにはコラーゲンを作成する働きがあり、このコラーゲンが、髪の毛の太さやハリ、ツヤなどをサポートしているのです。
ちなみに、たんぱく質と髪の毛の関係については、こちらの記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
エストロゲンを増やすためにはホルモンバランスを整えよう
エストロゲンを増やすために、自力ですぐにできることは、ホルモンバランスを整える生活習慣を身につけることです。ストレス発散の方法を見つけたり、バランスの良い食事を取ることもおすすめです。
なお、大豆に含まれる「イソフラボン」は、エストロゲンに似た働きをすると言われています。
イソフラボンは、豆科の植物に含まれる、植物性ポリフェノールのこと。特に大豆に多く含まれています。
大豆には髪の毛の健康の維持でも必須なタンパク質が含まれていますので、食事で積極的に摂取することを心がけると良いでしょう。
女性ホルモンへの理解を深めて生活習慣を整えよう
女性ホルモンの役割と髪の毛との関係について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
女性ホルモンと言えば美容との関係が目立ちがちですが、実は様々な側面があります。エストロゲンと髪の健康は切っても切れない関係にありますので、まずはホルモンバランスを整えるために生活習慣を見直してみてください。
ホルモンバランスを整えるための生活習慣については、こちらの記事でも紹介していますので、参考にしてみてくださいね。
出典:日系BP わたしのカラダは、私が守る 女性ホルモンの教科書